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防衛産業

防衛と民生で基盤を共有し、量産力と先端技術を国内に持つ

編集:株式会社アルテレクト /  更新
防衛産業のイメージイラストみらい図鑑の解説イラスト
AIガイドのミライAI GUIDE / MIRAI

ミライのやさしい解説

安全を支える産業って?

防衛産業は装備を作るだけでなく、維持整備や部品供給も支える分野だよ。技術と同時に、制度や責任を考えることが必要なんだ。

AIキャラクターによる編集済みの解説です。リアルタイムのチャットではありません。
有望なデュアルユース市場の規模(2035年見込み)
世界約130兆円国内約13兆円[1]
デュアルユース技術の官民投資額(2040年度までの想定)
4.3兆円[1]
経済波及効果は2040年度までで117.7兆円と想定
艦艇分野への投資(2026年度予算)
約3,400億円[1]
防衛調達を含む。戦略三文書の改定に伴う投資は別途見込まれる
小型無人航空機の取得関連予算(2026年度)
1,001億円[1]
SHIELD早期構築の総額。国産機体の調達に限らない

何が対象か

政府は防衛産業分野で、①小型無人航空機、②艦艇、③デュアルユース技術の3品目を「主要な製品・技術等」に定めています [1]。日本成長戦略は、戦略三文書(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画)を2026年中に改定して防衛力の変革に取り組むとし、先端技術の活用、増産能力の確保、サプライチェーンの強靱化、スタートアップが研究開発や量産に挑戦できる環境づくりを掲げています [2]。軸になる考え方は、防衛調達で民生の競争力を高め、民生市場で強くなった生産・技術基盤を防衛にも生かす「防衛と経済の好循環」です [1]。

LIFE & TECHNOLOGY

技術と暮らしが、つながる場面。

装備の点検や部品交換を継続する場面を例に、この分野の技術がどこで役立つのかを考えてみましょう。

編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
技術と暮らしが、つながる場面。
装備の点検や部品交換を継続する場面を描く、説明付きのイラスト。

仕組み

防衛装備品は、防衛省・防衛装備庁が発注し、「防衛プライム」と呼ばれる企業が研究開発や製造を直接請け負い、その下に多数のサプライヤーが連なる構造です [1]。

  • 小型無人航空機:消耗品としての性格が強く、必要に応じて増産やソフトウェア更新を素早く行えることが重要です。機体の自律飛行や群制御ではAIとソフトウェアが競争力を左右します [1]。
  • 艦艇:自衛隊の艦艇は基本的にすべて国内の造船所で建造・修繕されています。造船所、部材・機器のサプライチェーン、人材は商船と共通する部分が多く、造船分野の取り組みと連動します [1]。無人水上航走体(USV)や無人水中航走体(UUV)の自律化・群制御技術は、海運や海洋観測など民生にも展開できるとされています [1]。
  • デュアルユース技術:AI・ロボティクス、半導体・蓄電池、素材、バイオなど、民生と防衛の両方で使える技術です。スタートアップや大学などの技術を防衛に取り込む「スピンオン」と、防衛発の成果を民生へ広げる「スピンオフ」の両方向で進めます [1]。

その手段として、従来よりはるかに速く研究開発・装備化を進める「ファストパス調達」、防衛省版SBIR制度、防衛イノベーション科学技術研究所の活動などが挙げられています [1][2]。

HOW IT WORKS

防衛産業は、どう動く?

ひとつの技術だけで完結するのではなく、前の工程が次の工程を支えています。図の矢印に沿って、役割のつながりを見てみましょう。

  1. 1必要性を確認する
  2. 2開発・調達する
  3. 3運用を支える
  4. 4維持整備する
編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
防衛産業は、どう動く?
防衛産業の仕組みを示す図解。必要性を確認する → 開発・調達する → 運用を支える → 維持整備する

市場と規模

ロードマップは、日本にとって有望なデュアルユース市場が2035年に世界で約130兆円、国内で約13兆円規模に成長すると見込んでいます [1]。デュアルユース技術の官民投資額は2040年度までで4.3兆円、経済波及効果は117.7兆円と想定されています [1]。

小型無人航空機の官民投資額は2040年度までで0.4兆円(経済波及効果5.6兆円)と想定され、民生分野で2030年時点に8万台の機体・重要部品の供給を確保する目標があります [1]。2026年度予算では、小型無人航空機の取得を含むSHIELD早期構築に総額1,001億円が計上されています(国産機体の調達に限らない点に注意が必要です)[1]。艦艇分野への防衛調達を含む投資は2026年度予算で約3,400億円です [1]。いずれも、戦略三文書の改定に伴う投資額が今後上乗せされる見込みとされています [1]。

日本の強み

  • 国内で完結する艦艇の建造・修繕体制:自衛隊艦艇は基本的に国内造船所で建造・修繕されており、優れた能力を持つ造船所とサプライヤーが国内にあります [1]。
  • 海外からの評価:「もがみ」型護衛艦の能力向上型の豪州への移転に象徴されるように、日本の艦艇は同盟国・同志国から関心を集めています [1]。
  • 製造業の厚みと人材:ロードマップは、優れた製造業の基盤と人材を、デュアルユースの生産・技術基盤を強化できる潜在力として挙げています [1]。
  • 民生分野との連携余地:航空・宇宙、AI・半導体、マテリアル、バイオ・医療など他の戦略分野と連携し、防衛用途の増産に平時から備える構想が示されています [1]。
FROM LAB TO LIFE

実用化には、何が必要?

長期間の供給体制、人材、品質保証が重要。民生技術との関係もあるが、利用目的や制度の違いを無視できない。

編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
実用化には、何が必要?
防衛産業の実用化の課題を、三つの観点で整理した図解。長期間の供給体制、人材、品質保証が重要。民生技術との関係もあるが、利用目的や制度の違いを無視できない。

課題

  • 特定国への依存:小型無人航空機は特定国が世界市場シェアの7割以上を占め、製造に必要な重要構成品の多くを特定国に頼っています [1]。
  • ソフトウェア人材と基盤の不足:自律飛行や群制御、システム統合で重要なソフトウェアについて、国内の開発基盤は人材・基盤の両面で不十分とされています [1]。
  • サプライチェーンの脆弱化:艦艇の建造は限られた造船事業者・サプライヤーに集中し、事業撤退や人手不足、設備の老朽化が進んでいます [1]。
  • 新規参入の壁:スタートアップや非防衛企業にとって防衛分野のニーズや中長期の需要が見えにくく、防衛への忌避感、防衛特有の契約形態への対応なども参入の障壁になっています [1]。

主要プレイヤー

出典

  1. [1]戦略17分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップ(防衛産業分野 p.79〜93)内閣官房(日本成長戦略本部決定)・2026-07-21
  2. [2]日本成長戦略内閣官房(閣議決定)・2026-07-21