デジタル / DEEP DIVE
デジタル・サイバーセキュリティ
データ・クラウド・セキュリティを、海外に頼り切らない国内基盤へ
編集:株式会社アルテレクト / 更新
みらい図鑑の解説イラスト
AI GUIDE / MIRAIミライのやさしい解説
便利なデジタルを、どう守る?
セキュリティは鍵をかけて終わりではないよ。使える人を確かめ、異常に気づき、何か起きても復旧できる仕組みまで含むんだ。
家の鍵、来客の確認、火災報知器、避難計画。それぞれ役目が違うように、複数の対策を組み合わせる。
強い認証だけではすべて防げない。更新、権限の見直し、バックアップ、連絡体制を日々運用する必要がある。
- 国内サイバーセキュリティ企業の売上高
- 約0.9兆円→3兆円超[2] 2035年までの目標(足元から3倍増)
- 国内クラウド市場
- 約4兆円→30兆円[1] 足元は年20%超で拡大。30兆円は2035年までの目標
- 国内データプラットフォーム関連市場
- 0.73兆円→5兆円[2] 0.73兆円は2025年時点(IDC調査)。5兆円は2035年までの目標
技術と暮らしが、つながる場面。
仕事のアカウントを安全に使う場面を例に、この分野の技術がどこで役立つのかを考えてみましょう。
編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。仕組み
- データプラットフォーム:AIで使える形にデータを整える「AI-Ready化(データ精製)」と、組織をまたいで分散したデータを安全に連携させる「データスペース」の技術が中心です。インターネット上の学習データが枯渇しつつある中、世界で流通するデータの6割を占める企業内データの活用が焦点になっていると政府は見ています [2]。
- 行政のAX/DX基盤:端末やネットワーク、クラウドやAIの基盤、基幹システム、認証基盤などを指します。国や自治体が国産のクラウドやセキュリティ製品を率先して導入し、初期需要を作ることで民間の技術力を高める狙いがあります [1]。政府機関の耐量子計算機暗号(PQC)への移行は、原則として2035年度までとされています [2]。
- サイバーセキュリティ製品:官民で得られる一次情報、たとえば国産検知ソフトが集めたデータや中小企業への攻撃情報を、国産製品の開発につなげる方針です。主要な外国製品を補完する「第二線」として国産製品が新たに調達されるといった棲み分けも想定されています [1][2]。
- クラウド・データセンター:AIの普及で計算需要が増える中、電力と通信のインフラを一体で整える「ワット・ビット連携」によるデータセンターの立地や、データセンターを支える蓄電池・電源システムの強化が進められます [1][2]。
サイバーセキュリティは、どう動く?
ひとつの技術だけで完結するのではなく、前の工程が次の工程を支えています。図の矢印に沿って、役割のつながりを見てみましょう。
- 1資産を把握する
- 2アクセスを制限する
- 3異常を検知する
- 4復旧する
市場と規模
国内のクラウド・データセンター市場は足元で4兆円規模、年20%超で拡大しており、政府は2035年までに国内クラウド市場30兆円を目指しています [1][2]。データプラットフォーム関連市場は、世界で2035年に約50兆円規模に成長する見込みで、国内は2025年時点の0.73兆円程度(IDC調査)から2035年までに5兆円を目指します [2]。
サイバーセキュリティでは、国内市場が年10%程度の拡大を続けるとの予測もあり、政府は国内サイバーセキュリティ企業の売上高を約0.9兆円から2035年までに3兆円超へ伸ばす目標を掲げています [1][2]。あわせて、2030年までに「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)」の活用企業を1万社超にすることを目指しています [2]。2035年度までの官民投資額は、クラウド・データセンター、蓄電池で32.7兆円、行政のAX/DX基盤で7.4兆円、サイバーセキュリティ製品・サービスで1.0兆円、データプラットフォームで0.9兆円と想定されています [2]。
実用化には、何が必要?
強い認証だけではすべて防げない。更新、権限の見直し、バックアップ、連絡体制を日々運用する必要がある。
編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。主要プレイヤー
- デジタル庁 ↗
ガバメントクラウドなど行政のデジタル基盤を整備
- 国家サイバー統括室 ↗
内閣官房で政府のサイバーセキュリティ政策を統括
- 情報処理推進機構(IPA) ↗
セキュリティ対策の普及と情報処理技術者試験を担う
- さくらインターネット ↗
国産クラウド・データセンター事業者
- トレンドマイクロ ↗
日本に本社を置くセキュリティ製品・サービス大手
- FFRIセキュリティ ↗
国産のエンドポイントセキュリティ製品を開発
- ラック ↗
セキュリティ監視とインシデント対応サービス
出典
- [1]日本成長戦略(閣議決定)内閣官房・2026-07-21
- [2]戦略17分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップ(デジタル・サイバーセキュリティ分野)内閣官房(日本成長戦略本部決定)・2026-07-21
- [3]日本成長戦略本部(第1回)資料 成長戦略の検討課題内閣官房・2025-11-04

