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創薬・先端医療

基礎研究の強みを新薬・医療機器に変え、世界市場へ直行する

編集:株式会社アルテレクト /  更新
創薬・先端医療のイメージイラストみらい図鑑の解説イラスト
AIガイドのミライAI GUIDE / MIRAI

ミライのやさしい解説

新しい薬は、どう生まれる?

創薬は候補物質を見つけるだけではないよ。効果や安全性を段階的に確かめ、品質を保って届けるまでが長い道のりなんだ。

AIキャラクターによる編集済みの解説です。リアルタイムのチャットではありません。
世界の医薬品市場
約200兆円[1]
2022年時点の推計
日本企業の医薬品売上
約11.6兆円[1]
世界市場に占める割合。ロードマップの現状認識(2022年時点の市場規模に対する数値)
日本の医療機器メーカーの世界での獲得市場規模
2024年10兆円→2040年28兆円[1]
2040年は政府の目標値。医療機器の世界市場は約80兆円、成長率6%超
革新的新薬で想定する官民投資額
23.4兆円[1]
2040年度までの累計。ファーストインクラス・ベストインクラス製品。経済波及効果は162.1兆円と想定

何が対象か

日本成長戦略(2026年7月閣議決定)の「創薬・先端医療」分野は、5つの「主要な製品・技術等」で構成されています [2]。①ファーストインクラス・ベストインクラスの製品(医薬品、再生医療等製品)、②感染症対応製品、③バイオ医薬品・再生医療等製品等(「合成生物学・バイオ」分野と共通)、④AI・ロボティクスなどの革新的デバイスを活用した先端医療、⑤ライフログデータ等を活用したヘルスケア関連サービスです [1]。政府は、新たな創薬シーズの創出から実用化までを一気通貫で進め、国際共同治験で国内外の市場を同時に狙う「世界直行型」の開発を掲げています [1]。

LIFE & TECHNOLOGY

技術と暮らしが、つながる場面。

病気に関係する仕組みを研究する場面を例に、この分野の技術がどこで役立つのかを考えてみましょう。

編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
技術と暮らしが、つながる場面。
病気に関係する仕組みを研究する場面を描く、説明付きのイラスト。

仕組み

医薬品の産業は、特許期間中の収益を次の研究開発に再投資して回る構造です [1]。ファーストインクラスは全く新しい作用で世界で初めて承認される薬、ベストインクラスは同じ作用の薬の中で有用性が最も優れる薬を指します [1]。

  • 創薬:米国などでは、技術シーズを持つスタートアップと、開発・販売に強い製薬企業が組むモデルが主流になっています。AIを使った創薬プロセスの効率化も進んでいます [1]。
  • 感染症対応:ワクチン・治療薬・診断薬は流行で需要が急変するため、平時から供給体制を保つことが難しい製品です。政府は買上げ・備蓄なども組み合わせて生産体制の安定を図る方針です [1]。
  • 医療機器:診断機器では画像技術が強みで、治療機器ではAIと手技データの蓄積により手術支援ロボットなどが「手術の質を底上げするプラットフォーム」になり得るとされています [1]。
HOW IT WORKS

創薬・先端医療は、どう動く?

ひとつの技術だけで完結するのではなく、前の工程が次の工程を支えています。図の矢印に沿って、役割のつながりを見てみましょう。

  1. 1仕組みを調べる
  2. 2候補を探す
  3. 3試験で確認する
  4. 4審査・製造につなぐ
編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
創薬・先端医療は、どう動く?
創薬・先端医療の仕組みを示す図解。仕組みを調べる → 候補を探す → 試験で確認する → 審査・製造につなぐ

市場と規模

世界の医薬品市場は2022年時点で約200兆円と推計され、日本企業の売上は約11.6兆円とされています [1]。新薬を含む特許品の世界市場(日本を除くG7)は2020〜2024年に年平均9.6%で拡大しました [1]。医療機器の世界市場は約80兆円、成長率は6%超です [1]。

政府が2040年度までに想定する官民投資額は、革新的新薬が23.4兆円、感染症対応製品が7.2兆円、医療機器が11.6兆円、ヘルスケア関連サービスが1.1兆円です [1]。医療機器では、日本メーカーの世界での獲得市場規模を2024年の10兆円から2040年に28兆円へ伸ばす目標を置いています [1]。予防・健康づくり領域のデジタルヘルスサービスは、世界で約70兆円の市場が2034年に350兆円規模になると見込まれています [1]。

日本の強み

  • 2001年以降の自然科学分野のノーベル賞受賞数が世界2位であるなど、基礎研究力が高いとされています。医薬品産業は、自動車関連産業・素材産業に次ぐ販売金額3位の基幹産業です [1]。
  • iPS細胞、バイスペシフィック抗体、抗体薬物複合体(ADC)など、優れた技術基盤を持つ領域があります [1]。
  • 内視鏡・CT・MRIなどの診断機器で、画像の高精細化などに強みを持ち、高いシェアを持つ機器もあります [1]。
  • 国民皆保険のもとで、質・量ともに優れた医療データと、緻密なデータ収集の経験が蓄積されています [1]。
  • 国内の製造現場は、品質管理や供給の確実性が国際的にも高い水準にあるとされています [1]。
FROM LAB TO LIFE

実用化には、何が必要?

AIの予測は実験や臨床での確認の代わりにはならない。研究段階の技術と、利用できる治療を混同しないことが大切。

編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
実用化には、何が必要?
創薬・先端医療の実用化の課題を、三つの観点で整理した図解。AIの予測は実験や臨床での確認の代わりにはならない。研究段階の技術と、利用できる治療を混同しないことが大切。

課題

  • 創薬研究、薬事、臨床、AI・データなど、実用化を担う人材が量・質ともに不足しています。スタートアップの資金不足や国際共同治験の高コスト化も課題です [1]。
  • 米国の最恵国待遇(MFN)価格政策の動きを受け、海外の製薬企業が日本への新薬導入に慎重になれば、日本で治験が行われないリスクがあると指摘されています [1]。
  • 治療機器は、治験に要する長期・多額の資金を調達しにくく、オープンイノベーションの仕組みも整っていないため、大幅な輸入超過になっています [1]。
  • 抗菌薬には原材料・原薬を特定国に極端に依存する品目があり、免疫グロブリンは平時から国内で自給できていません [1]。

主要プレイヤー

出典

  1. [1]戦略17分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップ(創薬・先端医療分野)内閣官房(日本成長戦略本部決定)・2026-07-21
  2. [2]日本成長戦略 概要(閣議決定)内閣官房・2026-07-21