m↗みらい図鑑日本の17の戦略分野運営会社株式会社アルテレクト
みらい図鑑 / エネルギー・GX

エネルギー / DEEP DIVE

資源・エネルギー安全保障・GX

輸入に頼るエネルギーを、国産の脱炭素電源と輸出できる技術に変える

編集:株式会社アルテレクト /  更新
エネルギー・GXのイメージイラストみらい図鑑の解説イラスト
AIガイドのミライAI GUIDE / MIRAI

ミライのやさしい解説

電気を作るだけで、脱炭素?

エネルギーは作る、運ぶ、ためる、使うまでつながっているよ。安定供給と環境負荷、費用を一緒に考えるのがポイントなんだ。

AIキャラクターによる編集済みの解説です。リアルタイムのチャットではありません。
日本のエネルギー自給率
16.4%[3]
2024年度速報値。2010年度は20.2%
一次エネルギーに占める化石燃料の割合
約80%[3]
2024年度速報値
水素等で想定する官民投資額
6.2兆円[2]
2040年度までの累計
洋上風力で想定する官民投資額
5.1兆円[2]
2040年度までの累計

何が対象か

政府は、中東情勢を踏まえて備蓄を含むエネルギー需給構造を強靱化し、エネルギー制約を乗り越える製品の海外展開を進めるため、GX(グリーントランスフォーメーション)を強力に推進するとしています [1]。取りまとめは経済産業大臣が担います [4]。官民投資の対象には、次世代型太陽電池(ペロブスカイト太陽電池等)、水素等、グリーン鉄、次世代型地熱、洋上風力、次世代革新炉、GXケミカルの7項目が選ばれています [2]。いずれも、脱炭素とエネルギーの自律性を同時に高める「危機管理投資」として位置づけられています [1]。

LIFE & TECHNOLOGY

技術と暮らしが、つながる場面。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせる場面を例に、この分野の技術がどこで役立つのかを考えてみましょう。

編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
技術と暮らしが、つながる場面。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせる場面を描く、説明付きのイラスト。

仕組み

  • 次世代型太陽電池:フィルム型のペロブスカイト太陽電池は軽く曲げられるため、野立てのメガソーラーに向かない建物の屋根や壁面にも設置できます。政府は官公需や海外実証で初期需要をつくり、量産体制を早期に整えるとしています [1][2]。
  • 水素等:水素やアンモニアを発電や産業の燃料に使い、製造・輸送・利用のサプライチェーンを組み上げます。水素社会推進法に基づく価格差支援などで需要を生み、ガスタービン、水電解装置、液化水素関連機器、燃料電池の輸出も狙います [1]。
  • 次世代型地熱:従来は使えなかった地域や、より深く高温の熱源も利用する方式です。天候に左右されない脱炭素電源として、国内実証と温泉法などの規制の整理が進められます [1]。
  • 洋上風力:海外の風車メーカーとの連携で国内に製造拠点をつくり、浮体式の技術開発と合わせて風車・浮体のサプライチェーンを構築します [1]。
  • 次世代革新炉:革新軽水炉、SMR(小型モジュール炉)、高速炉、高温ガス炉といった、新たな安全の仕組みを組み込んだ原子炉の開発・設置を進めます [2]。
HOW IT WORKS

エネルギー・GXは、どう動く?

ひとつの技術だけで完結するのではなく、前の工程が次の工程を支えています。図の矢印に沿って、役割のつながりを見てみましょう。

  1. 1作る
  2. 2送る
  3. 3必要に応じてためる
  4. 4効率よく使う
編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
エネルギー・GXは、どう動く?
エネルギー・GXの仕組みを示す図解。作る → 送る → 必要に応じてためる → 効率よく使う

市場と規模

資源エネルギー庁によると、日本のエネルギー自給率は2024年度(速報値)で16.4%と、東日本大震災前の2010年度の20.2%を下回っています。一次エネルギーの約80%を化石燃料に頼り、原油の約95.1%を中東地域から輸入しています [3]。

市場の見通しとしては、水素・アンモニア関連市場が2050年に30〜40兆円規模、次世代型地熱の世界市場が2040年頃に年間2,000億ドル近く、非従来型炉の世界市場が2050年に年間1,000億ドル規模になるとの予測を政府が引いています [1]。2040年度までの官民投資額は、次世代型太陽電池で4.1兆円、水素等で6.2兆円、グリーン鉄で4.2兆円、次世代型地熱で1.0兆円、洋上風力で5.1兆円、次世代革新炉で5.0兆円、GXケミカルで3.2兆円と想定されています [2]。

主な目標は、ペロブスカイト太陽電池の国内導入を2040年までに約20GW、水素等の導入量を2030年に年間最大300万トン・2050年に年間2,000万トン程度、次世代型地熱の発電容量を2040年に約1.4GWとすることなどです [1]。

日本の強み

  • ペロブスカイトの原料:主原料であるヨウ素は、日本が世界シェアの約3割を占めています [1]。
  • 地熱タービン:従来型の地熱発電用タービンでは、日本企業が世界シェアの約7割を占めています [2]。日本の地熱資源のポテンシャルは約23.5GWと世界有数です [2]。
  • 水素関連機器:水素・アンモニア対応(ready)のガスタービンを世界に先行して商用化しており、ロードマップは日本が市場シェアの約4割を占めるとしています。液化水素運搬船の開発・製造にも世界で初めて成功し、液化水素関連設備をサプライチェーン全体で製造できるのは世界で日本だけとされています [2]。
  • 原子力の技術基盤:国内での研究開発や実機の運転経験をいかし、国、JAEA、メーカーが次世代革新炉の実証に向けた検討を進めています [2]。
FROM LAB TO LIFE

実用化には、何が必要?

発電時だけでなく、設備の製造や燃料調達も含めて見る。地域の条件によって適した組み合わせは違う。

編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
実用化には、何が必要?
エネルギー・GXの実用化の課題を、三つの観点で整理した図解。発電時だけでなく、設備の製造や燃料調達も含めて見る。地域の条件によって適した組み合わせは違う。

課題

  • 特定国への依存:シリコン太陽電池は中国が世界シェアの8割程度を占め、量産規模とコストでの競争は厳しい状況です [2]。
  • 導入量の伸び悩み:地熱は資源量に比べて導入量が約0.6GWにとどまり、開発エリアの制限や規制が壁になっています [2]。
  • 事業環境の悪化:洋上風力は世界的なインフレで採算が悪化しており、供給価格を担保する公募制度の見直しや送電網の整備が求められています [1][2]。
  • 原子力の供給力低下:2040年代以降に原子力の供給力が大きく減ると見込まれ、次世代革新炉の開発・設置を間に合わせる必要があります [1]。

主要プレイヤー

出典

  1. [1]日本成長戦略(閣議決定)内閣官房・2026-07-21
  2. [2]戦略17分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップ(資源・エネルギー安全保障・GX分野)内閣官房(日本成長戦略本部決定)・2026-07-21
  3. [3]2025—日本が抱えているエネルギー問題(前編)資源エネルギー庁・2026-06-12
  4. [4]日本成長戦略本部(第1回)資料 成長戦略の検討課題内閣官房・2025-11-04