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量子

計算・通信・計測の3領域で、国産の量子技術と部素材を育てる

編集:株式会社アルテレクト /  更新
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AIガイドのミライAI GUIDE / MIRAI

ミライのやさしい解説

量子は、何でも速い魔法?

量子技術には計算、通信、計測があるよ。量子コンピュータもすべての計算が速くなるわけではなく、得意な問題を探しているんだ。

AIキャラクターによる編集済みの解説です。リアルタイムのチャットではありません。
量子コンピュータの世界市場(予測)
2040年以降14〜26兆円[2]
BCG(2021)の予測をロードマップが1ドル150円で換算して引用
量子通信で目指す世界シェア
2035年に3割[1]
QKD装置・関連サービスを20か国で展開
量子コンピューティングで想定する官民投資額
10.3兆円[2]
2040年度までの累計

何が対象か

政府は量子技術を、既存技術とは異なる原理で計算性能の飛躍的な向上などをもたらし、次の産業革命を起こし得る技術と位置づけています [1]。取りまとめは科学技術政策担当の内閣府特命担当大臣が担います [3]。重点は「量子コンピューティング」「量子通信・ネットワーク」「量子センシング」の3つで、基礎研究に加えて、人材育成、実装基盤の構築、資金循環と市場づくりを含む「量子エコシステム」の構築を目指しています [1][2]。

LIFE & TECHNOLOGY

技術と暮らしが、つながる場面。

新しい材料の性質を調べる研究の場面を例に、この分野の技術がどこで役立つのかを考えてみましょう。

編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
技術と暮らしが、つながる場面。
新しい材料の性質を調べる研究の場面を描く、説明付きのイラスト。

仕組み

  • 量子コンピューティングは、量子力学の性質を使い、従来のコンピュータでは時間のかかる計算を高速に解く可能性を持つ技術です。古典計算と量子計算の得意分野を組み合わせる「ハイブリッド計算」の活用も進み、量子の誤り低減にAIを使うなど、AIとの相互補完も進んでいます [2]。
  • 量子通信・ネットワークの中心は量子暗号通信(QKD)で、量子力学の性質を利用して暗号鍵を安全に共有する技術です。量子コンピュータによって従来の暗号が解読されるリスクへの備えとして、耐量子計算機暗号(PQC)と組み合わせた通信基盤づくりが進められています [1][2]。
  • 量子センシングは、従来より大幅に高い感度・精度で計測や測位を行う技術です。疾病の早期発見、半導体検査の高度化、GPSが使えない環境でのナビゲーション(PNT)などへの応用が見込まれています [1][2]。
  • 産業化の進展とともに、垂直統合型だった開発に水平分業が入り始め、装置・部素材産業の重要性が高まっていると政府は見ています [2]。
HOW IT WORKS

量子は、どう動く?

ひとつの技術だけで完結するのではなく、前の工程が次の工程を支えています。図の矢印に沿って、役割のつながりを見てみましょう。

  1. 1問題を選ぶ
  2. 2量子状態を制御する
  3. 3測定する
  4. 4古典計算と組み合わせる
編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
量子は、どう動く?
量子の仕組みを示す図解。問題を選ぶ → 量子状態を制御する → 測定する → 古典計算と組み合わせる

市場と規模

ロードマップが引く民間の予測では、量子コンピュータの世界市場は2030年以降に2.3〜4.5兆円、2040年以降に14〜26兆円へと拡大し、関連産業のユースケースを含めると2040年以降に68〜128兆円になると試算されています(BCG、2021年)[2]。量子通信・ネットワークの世界市場は2030年以降の5,500〜7,200億円から2040年以降の3.7兆〜5.4兆円へ(McKinsey、2025年)、量子センシングの世界市場は2030年以降の3,000億円から2040年以降の3.7兆円へ拡大すると見込まれています [2]。

政府は近年、量子分野で年1000億円規模の大型投資を行ってきましたが、中国や欧米の官民投資とは依然として数倍程度の差があるとしています [2]。2040年度までの官民投資額は、量子コンピューティングで10.3兆円、量子通信・ネットワークで1.5兆円、量子センシングで1.4兆円と想定されています [2]。

目標としては、2030年頃に小規模または部分的な誤り耐性を持つ国産量子コンピュータや1万物理量子ビット超の国産超電導量子コンピュータ、2040年に実用的で安全性の高い国産量子古典ハイブリッド計算基盤の実現を掲げています。通信では2030年に東名阪でのQKDの社会実装、センシングでは世界市場の20%獲得を目指しています [1]。

日本の強み

  • ハードを作り切る力:日本は、装置・部素材の開発・生産企業を含め、量子コンピュータのハードウェアを作り上げる力を持つ数少ない国とされています。アルゴリズムや量子ビット制御などの基礎研究にも強みがあります [2]。
  • 部素材:ケーブル、コネクタ、希釈冷凍機など、極低温などの極限環境で使う部素材・装置は、サプライチェーンで不可欠な存在になり得る領域とされています [2]。
  • 量子暗号通信:国産のQKD装置は、世界で唯一欧州の商用サービスに導入されており、東京QKDネットワークも長期にわたって運用されています [2]。
  • 量子センシング:関連特許数は世界2位で、光格子時計は日本発の技術です [2]。
FROM LAB TO LIFE

実用化には、何が必要?

量子の状態は周囲の影響を受けやすい。誤りへの対処や制御技術が必要で、研究上の成果と実用性は分けて読む。

編集部による理解のための図解です。実在の設備や導入実績を示すものではありません。
実用化には、何が必要?
量子の実用化の課題を、三つの観点で整理した図解。量子の状態は周囲の影響を受けやすい。誤りへの対処や制御技術が必要で、研究上の成果と実用性は分けて読む。

課題

  • 投資規模の差:中国や欧米との官民投資の差に加え、民間投資やスタートアップの資金調達が伸びていないと指摘されています [2]。
  • 社会実装の遅れ:量子ジャイロによるナビゲーションや量子重力計による資源探査など、量子センシングのシステム化と社会実装は総じて途上です [2]。
  • 初期需要づくり:市場が立ち上がる前の段階で、公共調達などによって需要を作り、事業の見通しを立てやすくすることが求められています [1][2]。
  • 人材:研究・エンジニアリング・ビジネスの各層で人材不足が課題とされています [2]。

主要プレイヤー

出典

  1. [1]日本成長戦略(閣議決定)内閣官房・2026-07-21
  2. [2]戦略17分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップ(量子分野)内閣官房(日本成長戦略本部決定)・2026-07-21
  3. [3]日本成長戦略本部(第1回)資料 成長戦略の検討課題内閣官房・2025-11-04